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歯の神経を抜かない治療は可能?判断基準や治療法・リスクを解説

▼目次

 
歯がズキズキと痛んだとき、「神経を抜かないといけないのかな?」と不安に思った経験はありませんか?歯の神経を抜く治療は、痛みを取り除く手段のひとつですが、実はできるだけ神経を残すことが望ましいとされています。近年では、歯の神経を抜かずに治療を行うためのさまざまな方法が開発されています。ただし、すべての症例で神経を残せるわけではなく、歯科医師による的確な判断が求められます。今回は、歯の神経を抜かずに済むケースや治療の方法、判断基準、そしてリスクについて詳しく解説していきます。

 

1.歯の神経を抜かない治療はできる?

むし歯が進行して歯の神経まで達すると、一般的には「神経を抜く治療(抜髄)」が検討されます。しかし、神経を抜くと歯がもろくなったり、歯の寿命が短くなったりする可能性があるため、近年では神経をできるだけ残す治療が重視されています。

歯の神経を抜かない治療には、次のような基本方針があります。

 

①むし歯の進行度を見極める

神経に達していないむし歯であれば、通常は神経を抜かずに治療が可能です。早期発見・早期治療がカギとなります。
 

➁神経が一部まで侵されている場合は「生活歯髄療法」

神経の一部が炎症を起こしている程度であれば、「生活歯髄療法」という方法で神経を残す治療が行われます。これは神経の生きている部分を残しつつ、適切な薬剤で保護する方法です。
 

➂神経が完全に死んでいる、または強い痛みが続いている場合は抜髄が必要

神経が壊死していたり、炎症が広がっていたりする場合は、残念ながら神経を残すことが難しくなります。
 

④痛みの度合いや症状の安定性も判断材料

一時的な痛みなのか、継続的な強い痛みなのかによっても対応が変わります。

神経を抜かない治療は、歯の状態を丁寧に見極めたうえで可能な限り選択される方法です。

 
 

2.神経を抜くか抜かないかの判断はどう決まる?

神経を抜くかどうかの判断は、歯科医師が診察時にさまざまな要素を総合的に判断して決定します。患者さんの自覚症状だけでなく、検査結果も重要な判断材料となります。
 

①痛みの強さ・持続時間

軽い痛みで一時的なものであれば神経を残せる可能性がありますが、何もしなくてもズキズキとした痛みが続く場合や、夜も眠れないほどの痛みがある場合は、神経の炎症や壊死が進行していると考えられます。

 

➁冷たいものや温かいものへの反応

冷たいものにしみるがすぐに治まる場合は、神経を残せることがあります。しかし、温かいものにしみる場合や冷たい刺激が長時間続く場合は、神経のダメージが大きいことを意味します。
 

➂歯のレントゲン検査による状態の確認

レントゲン画像で歯の根元に黒い影(膿の袋)が見える場合、神経がすでに死んでいる可能性があります。この場合は根管治療が必要になることが多いです。
 

④歯髄診断テスト(電気・温熱刺激)

神経の反応を見るために、電気や熱を使った検査を行います。反応がない場合、神経が死んでいると判断されます。
 

⑤むし歯の位置と広がり

神経のすぐ近くまでむし歯が進行している場合は、治療の際に神経を傷つけないように特別な処置が必要です。深いむし歯であっても、神経が無事なケースでは薬剤で保護して残す選択肢があります。
 

⑥患者さんの希望や治療歴

過去の治療歴や、患者さん自身の希望も考慮されます。例えば、過去に痛みが続いた経験があり、不安が強い方には、抜髄を選択することもあります。

神経を抜くかどうかの判断には、多角的な検査と、歯科医師の臨床的な経験が重要です。「できる限り神経を残す」が基本方針ですが、すべての症例で実現できるわけではありません。

 
 

3.歯の神経を抜いた場合・抜かない場合のメリットとデメリット

歯の神経を抜く治療と、神経を残す治療にはそれぞれメリットとデメリットがあります。以下に代表的なポイントを整理してご紹介します。
 
<神経を抜かない場合のメリット>

①歯の寿命を長く保てる

神経が生きていることで、歯に栄養が届きやすくなり、強度や耐久性を維持しやすくなります。
 

➁歯の変色を防げる

神経を抜いた歯は徐々に色が変わることがありますが、神経を残せば自然な白さを保ちやすくなります。
 

➂感覚が残る

冷たいものや熱いものを感じ取れる感覚が維持され、違和感の早期発見につながります。
 

<神経を抜かない場合のデメリット>

①再発のリスクがある

神経を残しても炎症が再発した場合、最終的に抜く必要が生じることがあります。
 

②治療の難易度が高い

神経を残す治療は繊細な技術が必要であり、歯科医院に完備されている器材や歯科医師の技術に左右されることがあります。
 

<神経を抜いた場合のメリット>

①痛みを確実に取り除ける

強い痛みを伴う神経の炎症や壊死は、神経を抜くことで解消します。
 

➁むし歯の再発があっても再治療が可能

神経がないため、再発しても再治療しやすく、治療計画が立てやすいという面があります。
 

<神経を抜いた場合のデメリット>

①歯がもろくなりやすい

神経を失った歯は水分を失い、割れやすくなる傾向があります。被せ物や補強治療が必要になることもあります。
 

④感覚がなくなる

冷たい・熱いといった刺激に気づきにくくなり、トラブルの発見が遅れる可能性があります。
 

⑤歯の変色が進みやすい

神経を抜くと徐々に歯がくすんだ色になっていくことがあります。

神経を抜くかどうかは、痛みをとるか、歯の自然な機能を維持するか、両者のバランスをとりながら慎重に判断することが大切です。

 
 

4. 仙台市の歯医者 奥州仙臺Premiumデンタルクリニックの根管治療

仙台市の歯医者 奥州仙臺Premiumデンタルクリニックは、歯を残すことに特化した根管治療を提供しています。マイクロスコープを用いた精密治療で患者さんの大切な歯を守ります。
 
歯を残すためには今ある歯を正しく診査・診断した上で治療方針を決定する必要があります。そのためには治療前にレントゲン・CT撮影や口腔内の温痛、冷通、打診痛などの検査、患者さんご自身からのヒアリングなど診査・診断を丁寧に行います。その結果を元に患者さんの生涯のお口の健康を考えた治療法を提案いたします。
 
また、根管治療を成功に導くためには歯と歯周組織に細菌感染が再び起こらない環境で治療を行う必要があります。そのために器具は滅菌済みや使い捨て(新品)を使用し、ラバーダムという特殊なゴムで唾液による細菌感染を防ぐなど「無菌的環境下」で治療を行うことも大切です。
 
「かかりつけの歯科医院で抜歯が必要と言われた」「歯の根の治療(根管治療)を何回も繰り返している」「治療後に歯や歯茎にずっと違和感がある」など、自分のお口に不安がある方は奥州仙臺Premiumデンタルクリニックにご相談ください。
 
 

まとめ

むし歯が進行した場合でも、必ずしも神経を抜く必要があるわけではありません。歯の状態や痛みの程度に応じて、神経を残す治療が可能なケースもあります。神経を残すことで歯の寿命を保ちやすくなる一方、状態によっては抜歯が必要な場面もあるため、正確な診断が欠かせません。

仙台市で「歯の神経を残す治療」に関心のある方は、奥州仙臺premiumデンタルクリニック 卸町までぜひご相談ください。患者さん一人ひとりの状態に応じた丁寧な治療をご提案しています。

 
 


監修

奥州仙臺Premiumデンタルクリニック
TOKU根管治療専門室 鈴木篤太郎
 
「歯を残すことに特化した根管治療」の詳細はこちらのページをご確認ください。

TOKU根管治療専門室のHPはこちら>>

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