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根管治療が終わらない?時間がかかる理由と終わらない場合の選択肢

▼目次

 
根管治療は歯の内部にある根管(歯髄や神経の入った管)を清掃し、再感染を防ぐための治療です。しかし、「なかなか治療が終わらない」と感じる方も少なくありません。根管治療は時間と回数が必要な治療であり、様々な要因が治療の進行に影響を与えます。
今回は、根管治療に時間がかかる理由や期間、さらに終わらない場合の選択肢について詳しく解説します。
 
 

1. 根管治療が時間がかかる理由とは?

根管治療に時間がかかるのは、治療そのものが非常に繊細であり、複数のステップを経る必要があるためです。以下に主な理由を挙げます。
 

①根管の複雑さ

歯の根管は非常に細く、湾曲していることが多いため、清掃や消毒に時間がかかります。特に奥歯は根管の本数が多く、構造が複雑なため、慎重な治療が求められます。
 

②感染の程度

根管内の感染が重度の場合、炎症や細菌の除去に時間がかかります。根管内の感染を完全に除去しないまま治療を進めると、再感染のリスクが高まるため、丁寧な処置が求められます。
 

③治療中の痛みや炎症のコントロール

治療中に痛みや腫れがある場合、無理に治療を進めると症状が悪化することがあります。そのため、歯科医師は炎症を抑えながら慎重に治療を進めます。
 

④患者さんの体調や治療への協力

患者さんの体調や口を開ける時間の長さも影響します。また、予約が取りづらい場合や、通院の間隔が空いてしまうことも治療期間を長引かせる原因になります。
 
 

2. 根管治療が終わるまでの期間と必要な治療回数の目安

根管治療の期間は、通常2〜3週間から数ヶ月かかることもあります。
 
一般的には、週に1回の頻度で通院したとして、標準的な治療回数の目安は3〜5回です。薬の効果を待つこともありますので、毎日通えば早く終わるわけでもありません。
 
しかし、歯の状況や根管の形態によっては、それ以上の回数が必要になります。むし歯菌の感染範囲が広い場合や、根管の本数が多い、かつ細く複雑な形状をしている場合には、治療回数がかかります。
 
治療は、以下のようなステップで行われます。
 

①初回の治療

根管内の感染部分の除去や清掃を行い、細菌感染した部分の除去に重点を置きます。
 

➁貼薬(消毒・薬剤の塗布)

根管内に消毒の薬剤を入れ、細菌を除去します。感染状態や、歯科医師の根管治療への考え方によっては、消毒と薬剤の塗布を何回かの来院に分けて繰り返します。
 

➂根管充填

感染レベルが症状が治まる状態まで下がったと判断した後で、根管を専用の充填材で埋めてしまいます。
 

④歯冠修復

歯の頭の部分を詰め物や被せ物で修復します。
 
このように、一般的に根管治療は根管内の細菌を完全に取り除くために複数回の通院が必要とされています。
 
 

3. 根管治療がなかなか治らないケースとは?

 
根管治療が思うように進まない場合、以下のような原因が考えられます。
 

①根管の構造が複雑

一部の歯には非常に複雑な形状の根管があり、完全な治療が難しい場合があります。見えない微細な根管や、複雑に入り組んだ根管内に細菌が残ると、完全な清掃が難しく、症状が収まらないため複数回かかります。
 

②無菌的処置が不十分

根管治療は細菌量を減らすことが大切なため、器具や材料による細菌感染リスクを下げることが求められます。
無菌処置を行うためには、歯を囲んで唾液などが根管内に侵入しないようにする「ラバーダム(ゴムのシート)」の使用や、感染を防ぐために滅菌済の器具を用いることが欠かせません。
これらが不十分だと、治療中に細菌が侵入して感染状態が続き、治療が長引く原因になります。
 

③歯周病との関連

歯周病が進行している場合、根管治療だけでは歯や周囲の組織の改善が難しいことがあります。この場合、歯周病の治療も併用する必要があります。
 
 

4. 根管治療が終わらないときの選択肢

根管治療が長引いたり、何度治療しても症状が改善しない場合、患者さんの状態や症状に応じて、次のような対応が考えられます。
 

①再根管治療

再治療では、過去の根管治療で除去しきれなかった感染や不完全な詰め物を改善します。歯科用CTとマイクロスコープ(顕微鏡)などの専門機器を用いることで、治療精度の向上が期待できます。この場合、専門的な設備がある歯科医院での受診が必要となります。
 

②外科的根管治療

再根管治療でも症状が改善しない場合には、「歯根端切除術」という外科的な方法が選択肢となることがあります。この治療法では、歯肉を切開して根の尖端部分を除去し、感染源を取り除きます。通常の根管治療では届かない部分の感染を除去する際に有効です。
 

➂抜歯とインプラント治療

根管治療を繰り返しても症状が改善されない場合、抜歯が検討されることもあります。抜歯を行った後、歯の機能と見た目を補うためにブリッジ、義歯、インプラント治療が選ばれることが一般的です。インプラントは、人工歯根を埋め込むことで自然な見た目と機能を取り戻しやすい治療法です。
 
 

まとめ

根管治療は歯を救うための治療です。治療が長引く理由としては、通院頻度、根管の本数、根管の構造が複雑なこと、などが挙げられます。治療が終わらない場合でも、再治療や外科的処置、場合によっては抜歯などの選択肢があり、歯科医師と相談しながら最適な治療を進めることが重要です。
 
奥州仙臺premiumデンタルクリニックはマイクロスコープなどの専門機器もあり、患者さん一人ひとりの症状に合わせた根管治療を行っております。また、基本的に当院で行う根管治療は「1day トリートメント」で一回の来院で治療が完了します(2回かかる場合もあります)。仙台市、仙台市周辺で根管治療に関する疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。

 
 


監修

奥州仙臺Premiumデンタルクリニック
TOKU根管治療専門室 鈴木篤太郎


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診療内容

歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科

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